最低賃金制を基礎にした収入認定は違法との司法判断がくだされました。
2014年1月27日、大分地方裁判所民事第2部合議B係(宮武康裁判長)は、原告の請求を全面的に認める判決を言い渡しました。
本件の概要は以下の通りです。
原告は、1999年9月から生活保護を受給し始めました。その後も精一杯、仕事に励んでいましたが、不景気のため、どうしても収入がさがってしまいました。
そのようななかで、大分市福祉事務所は、原告に対し、最低収入賃金額(大分県の最低賃金×7時間×25日)の計算式を基礎とした収入認定をおこない、実際の所得ではないこの計算上の金額が原告の所得だとして、生活保護支給額から天引きしました。
これにより原告は9年間にもわたって、家賃や水道光熱費を滞納せざるをえないなど、最低生活未満の悲惨な生活を強いられてきました。
大分地方裁判所は、大分市福祉事務所が原告に対して、計算上の最低賃金収入額を基礎とする生活保護費しか支給していなかったことの違法性を認め、本来支給されるべきであった生活保護費と実際の支給額との5年間分の差額相当額の損害賠償、及び慰謝料の請求を容認する判決を言い渡しました。
今回の判決で原告に対する取り扱いが生活保護法に照らして違法なものであると明確に判断された以上、行政は同じ過ちを繰り返してはなりません。
大分市は、今後本件と同じような被害者を出さないようにするために、不法・不当な処分については、憲法25条と生活保護法の理念、生活困窮者の実情によりそって、迅速・適切な行政運営を徹底することを強く要求します。
この件で、ご支援をいただいたみなさんに感謝とお礼を申し上げます。
この裁判の勝利を糧に、市民の命と暮らし、生存権保障の確立めざし、ひきつづき、全力をあげます。
なお、裁判勝利判決報告会は
●2月16日(日)午前10時30分 ※時間が変わりました。ご注意ください
●コンパルホール 3F会議室
です。
ぜひ、ご参加ください。
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