私の質疑・質問の要旨は以下の通りです。
■新たな後期高齢者医療の法案化は撤回を
後期高齢者医療制度は国民の猛反発をうけ、現行制度は平成24年度末に廃止し、25年度からの新制度に向け検討されており、8月20日に、高齢者のための新たな医療制度等についての「中間とりまとめ」が発表されました。
しかし、新政権は、サラリーマンとその扶養家族を除き、8割りの高齢者を国保に加入させ、現役世代と「別勘定」とし、都道府県単位で財政運営する制度にくみこもうというものです。
これは後期高齢者医療の悪い部分を「利点」と評価して、負担増と給付抑制の仕組みを温存・拡大するものです。「中間とりまとめ」の方向での新しい後期高齢者医療制度の法案化は許されません。国民の願いとは反するものであり撤回を要求しました。
しかし、大分県広域連合としては「中間とりまとめでの制度見直しに期待している」との答弁にとどまり、国追随の姿勢に終始しました。
その他、平成21年度決算約60億円の黒字は、高齢者の保険料引き下げ、保健事業の充実に振り向けるよう要求しました。
★26名の議員中、質疑・質問したのは日本共産党の議員だけでした。また6名の議員が欠席、これでは広域連合議会の責任は果たせません。
■国保の「広域化」は、憲法で規定した生存権を奪うもの
〈支払い能力はるかに超える国保税〉
いま国保世帯は、2人世帯の場合、所得125万円で251600円など、支払い能力をはるかに超えて、「払いたくても払えない」という事態となっています。
この原因は、国保の国庫負担を50%から28・5%にまで削減したため、市町村では、国保税の相次ぐ値上げが行われてきました。
〈国民世論で一部譲歩、しかし根本解決には手をつけず〉
こうしたなか、資格証明書の発行や無保険者の拡大で、受診が抑制され命が奪われる重大な事態続発しています。
「命と健康を守れ」の声に押され、政府は一部失業者の保険税軽減や、子どもの無保険救済措置などをおこなってきましたが、根本的な解決はされていません。
〈保険料値上げ、給付抑制、低所得者排除の制度へ大改悪〉
一方、先の通常国会で成立した国民健康保険法改定によって、後期高齢者医療制度の検討とも連動させるなかで、都道府県単位での「国保の広域化」をねらっています。その内容や問題点は
都道府県に国保の「広域化等支援方針」をつくらせます。この「支援方針」には、財政改善、収納率向上、医療費適正の目標が書き込まれ、3つの統一化(県内保険税の統一、減免制度ならびに基準の統一、収納率の統一)の実行を都道府県が市町村にせまっています。
国保「広域化方針」を年内に策定すれば、「特別調整交付金の減額は免除する」とて、誘導を強めています。また差し押さえなどの行政処分も強化されています。
「広域化」の当面のねらいは一般会計から繰り入れの全廃を示唆しています。「中間とりまとめ」では協会けんぽとの統合を見越し、年間限度額を現行63万円から93万円に段階的に引き上げるとしています。減免制度などの独自施策についても後退することが懸念されます。一般会計繰り入れなければ、保険税値上げを加速させるだけではないでしょうか。「広域化」で財政が安定するという根拠はなりたちません。
「地域保険の一元化」で、国庫負担、企業負担の削減がねらわれています。
健康保険の傷病手当、休業補償などの取り扱いはどうなるのか、不安の声があがっています。
組織運営は、国保の運営を、広域連合でするのか、都道府県でするのかが論議されていますが、市民の声が届かない組織となることは、「後期高齢者医療」ですでに明らかです。
広域連合か県が保険料きめ、市町村は、保険証交付と保険税の取立てにかりたてられることになります。
〈民主党政権のすすめる「国保広域化」は、自民党政権下での医療制度改悪の方向〉
「後期高齢者医療の悪い部分を「利点」と評価して、負担増と給付抑制の仕組みを国保制度全体に拡大するものです。
自民党政権下の小泉構造改革路線での「負担と給付の公平」、「保険原理の徹底」という、医療制度改悪の道です。
国保「広域化」をやめさせ、いのちと健康を守りましょう。
□国庫負担を増額、一般会計からの繰り入れを増額させ、国保税を値下げ、減免制度を拡充させましょう。
□保険証とりあげをやめさせ、無保険者をなくしましょう。
□高すぎる窓口負担軽減するために、減免・徴収猶予規定を徹底させましょう。
□督促、財産調査、差し押さえなど人権無視の国保行政をやめさせましょう。
□都道府県の財政支援を強めさせましょう。
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